契約形態と業務内容

ここ最近のBLOGでは契約内容の事を書いてきました。
私自身もIT復帰後もフリーランスとしてやっていきたいと思い、
契約事の法的部分を色々と調べました。
厚生労働省ホームページにも偽装請負については明記されているので
確認しておいたほうが無難ですよ。
あなたの使用者はだれですか?偽装請負ってナニ?
請負、準委任、SES、業務委託、派遣の違いは?今さら聞けない外注契約の違いまとめ
今日は法的観点ではなく、
業務的内容からどの契約形態が向いているかを書きますね。
IT業界に関わらず社員ではなく外部の人材を起用する場合は
だいたいこの4パターンの契約になるはずです。
業務委託契約で発生する契約形態
[ 1 ] 請負
[ 2 ] 準委任(SES契約含む)
雇用関係で発生する契約形態
[ 1 ] 派遣社員
[ 2 ] アルバイト・パート
ここからはIT業界の仕事内容と契約形態をあてはめてみます。
あくまでも作業内容ですので法律の観点からは
厚生労働省ホームページをご確認下さい。
[ 1 ]請負
例えば新しいアプリを作る時に企画/要件定義/設計までの
リソースは社内にある、だけどプログラマー不足で
開発だけ外部にお願いしたい。
こういった場合は請負の方が適材のようです。
開発工程になりますね。
【発注側】
[ 1 ] 初期段階の仕様書や決まり事を決定する
[ 2 ] その仕様書や決まり事を元に最初のミーティングをする
[ 3 ] スケジュール感のすり合わせをする
[ 4 ] あとは納品日までは受託者(社/外部)にお任せする
[ 5 ] 追加機能や仕様変更がある場合は
その都度見積もりが発生する事を認識しておく
【受託側】
[ 1 ] 機能とボリューム確認後に見積を発注者に提出する
[ 2 ] 発注内容に対して責任を持って進行管理、納品を出来る体制を作る
【両方(責任領域)】
[ 1 ] 制作責任は受託側にある為、エラー発生毎に受託側が対応する
[ 2 ] 納期までに完成品を必ず納品する(遅延する場合は遅延の理由を伝える事)
【注意事項】
[ 1 ] 命令系統が発注側にないため、時間や場所を指定できない。
[ 2 ] 時間給ではなく成果給
[ 2 ] 準委任(SES契約含む)
例えば社内に既存アプリがたくさんあり、
運営のリソースが足りないので1つのアプリ運営を丸ごと外部にお願いしたい。
これは準委任契約の方が適材のようです。主に運営・保守が多いでしょうか。
【発注側】
[ 1 ] 今までの運用状況を受託側に伝える。(コンテンツの更新日、イベントの発生頻度など)
[ 2 ] 確認事項、ミーティングの有無を決定する
[ 3 ] 月の対応時間を決定する
[ 4 ] イベントで追加開発が入った場合は
内容ボリュームにより追加費用が発生する場合もある事を認識する
【受託側】
[ 1 ] 月ごとの対応時間対して対価が決定する(どこで打刻するのかは両者間で要検討?)
[ 2 ] その月の対価で全運営(開発)をやりくりする事
[ 3 ] 開発案件の場合、契約期間中の仕様変更に対しては臨機応変に対応する事
[ 4 ] 運営時に問題があった場合速やかに発注側に報告する
【両方(責任領域)】
[ 1 ] 受託側に責任は一切かからない
[ 2 ] 開発案件の場合、納品後にエラーが発生しても発注側は再修正を依頼できない
[ 3 ] 運用でなく開発工程で受託した場合は
契約期間中に完成しなくても時間で対価が支払われる
【注意事項】
[ 1 ] 命令系統が発注側にないため、就業時間や就業場所を指定できない。
[ 2 ] 成果給ではなく時間給
※注意) 開発案件の場合は時間給だからと言って人月計算だけでは間違い。
あくまでも開発内容・作業ボリューム(技術料)を考慮すること
大まかに言うとこんな感じでしょうか。
IT業界特有のSES契約なるものもあるようですが、
派遣業務ではなく、中身は準委任契約と変わらないようですので注意が必要なようです。
その中でも開発工程は請負がスマートでお互い不利益を被らない契約方法だと思いますが、
その分責任の所在と両者間の認識違いでトラブルが発生しやすくなるケースも多々ある用で
信頼関係の元で成り立つ契約方法なのでしょうか。
受託側は制作・開発会社もしくは強靭な個人事業者が一番やりやすい契約になりますかね。
上記2つの契約内容(業務委託契約)に共通していることは
[ 1 ]発注側が受託側に命令系統をしてはいけない
[ 2 ]社会保障がない(社会保険や厚生年金等の福利厚生)
重要です!
ちょっと長くなりましがたが、、、次は雇用関係を持てる契約形態。
[ 1 ] 派遣社員
例えばこれも新規・既存問わず社内リソースが不足している場合に
育成せずに即戦力として事業に加わってもらいたい時に
有効的な契約形態です。
【雇用側】
[ 1 ] 不足リソース分を補える人材を派遣企業に紹介してもらう
[ 2 ] 社内に作業スペースを設ける
[ 3 ] 社内で一緒に作業を進行していく為の体制作り
【派遣社員側】
[ 1 ] 作業内容は派遣先企業、勤務管理は派遣会社へ報告義務が発生
[ 2 ] 派遣会社より月額、もしくは時給計算で給料としてもらう
[ 3 ] 数ヶ月毎に派遣会社の担当者と状況確認し、
業務内容によっては時給・月給アップが可能。
【両方(責任領域)】
[ 1 ] 責任は全て発注先企業にある
[ 2 ] 何か問題があった場合は派遣企業の担当者を経由する
【注意事項】
[ 1 ] 派遣期間上限は3年。それ以上になると社員契約が必要となる
[ 2 ] 受け入れられる派遣社員の人数制限がある
こんな感じでしょうか。
バイトとパート内容も専門性の違いだけで
あまり変わらないので今回は割愛します。
派遣・バイト・パートに共通していることは
命令系統が派遣先(就業先)企業にあります。
あと出社日が15日以上になると企業側は社会保障をしなければなりません。
と言う事で最近のIT現場には
アジャイル開発だのグループ開発だの
GitHubだのPostmanだの
色々な形態やツールを利用したやり方が存在していますが、
・どんな人材を求めているのか?
・どんな方法で業務を進めていくのか?
上記2点で契約形態は変わってくると言う認識が双方に必要ですよね。
社内に向かい入れたはいいけど、
グループ開発に加わってもらったはいいけど、
業務委託(準委任)契約なので社員が指示を出す事はできない等、
様々な弊害が起こる事も予測しなければなりません。
ちょっと準委任の月時間計算って言う決まりが曖昧ではありますけどね。。。
これが最近多出している人材派遣?斡旋?会社の
勘違いにも繋がっているようですね。
なぜこんな契約形態があるのかと言うと
もちろんお互い不利益を被らないようにする為とビジネスバランス、
また変な権力構想を生まない為ですよね。
気づいたら契約違反だったと言う事のないように
人材派遣?斡旋?会社さん、フリーランス陣も注意が必要です。
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